Twingo Easy system の 優しい操作方法(2003.08.18)
易しい操作方法ではありませんのでご了承くださいませぇ~。
トウィンゴ・イージー。私も以前乗っておりました。世間では壊れやすいと不評な声も聞こえてきますが、最適な操作方法を知らずにわざわざ機械に過剰な負担をかけるような操作を繰り返し行ったために自ら壊してしまったというケースも多いようです。
もう既に、イージーシステムは新車搭載はされていませんが、現存するイージシステム搭載車オーナーさんのためにも簡単にその優しい操作方法をまとめてみようと思いました。(構想2年以上、執筆時間・・・。。。 いつもこんな調子ですなあ。(爆))
注意=この操作方法は完調な状態のイージーシステムでの話です。すでに不調な状態の個体では該当しないことがあります。貴方の車両のコンディションに関わらずこの方法を試してみる場合は必ず全て貴方の自己責任のもと行ってください。あるいはこのページの内容は参考にしないで下さい。
当方は貴方の車両及び貴方、そして同乗者などに発生したトラブルなどに関して一切関知いたしません。ご了承くださいませ。
さて、基本的にイージーシステムとはどんなものなのでしょう?
名称から推測するとEASY=簡単・安易。などの操作補助システムだと思ってしまいますが、それをそのまま鵜呑みにしてしまって通常のM/T車と同じ操作を行うとたいていイージーよりもディフィカルト。。。
結果、かなりの負担を機械にかけてしまうことになるケースも。
セミオートマチックトランスミッションというよりは、オートクラッチ装着車ぐらいにとらえていただけると誤解が生じないかと思います。
通常のM/T車でのシフトアップは
「運転手がスロットルを踏み込んでいる」→「スロットルを緩めると同時にクラッチを切る」→「シフトレバーを操作して一つ上のギアに入れる」→「クラッチを離すと同時にスロットルを開ける」と、簡単に書くとこのような操作をしていると思います。
イージーシステムはこの本来人間が行っているクラッチ操作を肩代わりしてくれるものであってスロットル操作に関しては何もしてくれません。
そして、どのようなロジックでクラッチ操作のタイミング及び操作量を司っているかという部分が世間一般にあまり知られていない様に感じます。
販売・納車時にディーラーなどでこの辺りのメカニズムについてもう少し詳しく説明していただき、それに適した操作方法を指導していただいた上でユーザーの手に渡っていたなら、わたくしは現在の様なイージーシステム駄作説(トラブルばかりで寿命が短いetc)は発生しなかったような気がしてなりません。
といっても、フランス○ー○ース時代の話ですので、今となっては後の祭りですなあぁ。。。
では、簡単にそのロジックについて説明いたしましょう。
イージーシステムによるクラッチ操作を司るセンサー類「シフトノブの中にある圧力センサースイッチ」「スロットルペダル部にあるスロットル開度センサー」この2つが作動に当たっての重要な部分の大半を占めています。
要するにシフトノブに力が加わった時点で「運転手がシフト操作をしようとしている」とコンピューターが判断しクラッチ操作の準備をはじめます。
スロットルを閉じ始めることで「いよいよ間もなく運転手がシフト操作をはじめるんだな」とコンピューターが判断しクラッチ操作を即座に行い始めようとします。
このどちらか一方の信号だけでは正常なクラッチ操作は行われません。
この2つのセンサーからの信号をうまくコンピューターへ送ってやるような操作をすればイージーシステムは非常にスムーズになおかつ機械的負担も少なく変速に伴うクラッチ操作をやってのけてくれる訳です。
A:シフトアップ
それでは具体的にシフトアップの方法を説明いたしましょう。
ここでは、1速で発進した後、2速へシフトアップする場面を例にあげて説明します。
- <ギア1速-スロットル開度半分程度>で走行。シフトアップしようと思う。
- まず、スロットルはそのまま、シフトレバーをニュートラル方向へ押し付けます。
(スロットルがそのままなのでミッションに駆動力がかかっているため、ちょっとやそっとの力ではギアは抜けません。が、シフトノブ内の圧力センサースイッチからはコンピューターへ準備信号が送られます。「よっしゃ、いつでも来い!」って状態がこの時作り上げられています。)
- その状態のまま、スロットルペダルを緩めます。全閉にする必要はありません。次のギアに入った際に回転が合う程度の緩め方が丁度いいです。
すると、緩めた瞬間スロットル開度センサーからコンピューターへ「今だ!今こそクラッチを切るんだ!」という指令が送られ、イージシステムはクラッチを切る操作を間髪いれずに行います。
- この瞬間、運転手はあらかじめ力を入れていたシフトレバーがスコッとニュートラル方向へ動く現象を体感するでしょう。そして、そのまま2速へ入れてしまいます。というか2速へ吸い込まれるように動くという感覚です。
- 2速へ入ったらすぐさまスロットルを必要なだけ再度踏み込みます。(この操作でコンピューターが再度クラッチを接続する行為を始め出します)
この時多少踏みすぎた場合でもイージーシステムは半クラッチ操作を行って上手にクラッチを接続してくれますのでギクシャクすることなく次の加速へ移ることができます。
たったこれだけでもイージーの寿命はかなり長くなると思います。またこの方法を習得すればMTよりも素早い加速も可能です。(ゼロ発進時はのぞく)
B:シフトダウン
それでは、続きまして、シフトダウンの際のコツ。
「ケースA・3速巡航から2速へ」
- 3速巡航状態で、スロットル開度を加速も減速もしないパーシャルな状態にします。
そして、ニュートラル方向へシフトノブに力を入れると簡単にギアはニュートラルになります。
(先にシフトノブに力を入れておき、スロットルが加速側だった場合は微妙に緩めてやれば、パーシャルになった瞬間シフトノブはニュートラルの位置へ簡単に動かせることができます。)
- ニュートラル状態の間にスロットルを煽って回転を上げます。多少上げすぎでも大丈夫。そしてそのままの流れでシフトノブを2速に入れます。あとはイージシステムが半クラッチを使ってスムーズにクラッチを接続してくれます。
次の瞬間にはそのままスロットルを踏み込むことで再加速に移ることが可能ですし、そのままスロットルを全閉にすればエンジンブレーキがかかった状態で減速していけます。
「ケースB・コーナー進入のため3速からブレーキングしつつ2速へ落とす」
一見、イージーシステムが一番苦手としそうな状況ですが、ここがイージーシステムの真骨頂! 上手く操作してやることでMTでは真似できないほどの電光石火のシフトダウンが可能です。そんじょそこらの腕前ではイージーシステムに勝てません。私も完敗でした。^^;
しかも右足だけの操作で正確無比なシフトダウンを行うことが可能なので失敗が少ない。
- 3速=スロットル全閉→ブレーキング。シフトノブに2速方向へ力を加えます。
- フットブレーキとエンジンブレーキがりんくしていれば無用な力は入れずともニュートラルへ入ります。
- ヒールアンドトウを使い、スロットルペダルを煽り必要なだけ回転数を上げます。
- するとギアが2速へ入るに最適なエンジン回転数になった瞬間、シフトノブはスコッと2速へ入ってしまいます。(「入ってしまうほど軽く操作できてしまいます。」が、より正確な表現かな)
この時多少回転数が上がりすぎていてもイージーシステムが半クラを使って上手にクラッチを再接続してくれます。
- 既にギアは2速へエンゲージされていますのでブレーキングを調整してコーナーへ進入。あとは加速するだけです。
あ、もちろんコーナーを曲がるためのステアリングは操作してくださいね。(爆)
と、こんな感じで「シフトノブのセンサー」と「スロットルペダルにある開度センサー」をうまく操作してやることでイージーシステムは無敵の動作を可能とします。ぜひお試しあれ。
それからとても大切なことなのですが、このスロットル開度センサーはスロットルワイヤーの緩みによって計算間違いをします。
スロットルワイヤーがたるんでいるとクラッチ操作のタイミングが狂ってしまい、的確・スムーズな操作を行えなくなってしまいます。従いまして定期的に(というか、しょっちゅう・・・?)スロットルワイヤーにたるみがないか確認&調整を行っておくことがこのスムーズかつ無敵のイージーシステムの状態を維持するコツであります。
注意:スロットルワイヤーの調整はスロットル本体直近のスナップピンの刺し入れ位置を調整するだけでできる簡単なメンテナンスですが、短く調整しすぎて全開にした時にスロットルワイヤーが張り詰めてしまうとスロットル本体を壊す原因になりますので要領がわからない場合は必ずディーラーのメカニックさんや専門的知識をもった人に方法を教えてもらってから行うことを守ってください。
まとめ。
こんなややこしい説明が必要なものを売るな!とメーカーに対して批判意見を持つ方もいらっしゃるでしょう。
たしかに、イージーシステムという名称から想像してしまう安楽装備とはかけ離れた部分があると私も感じます。
でもでも、このイージーシステムを上手く操れた時のその爽快感というのはホント病み付きになってしまうというのも経験上まぎれもない事実でして。。。
何はともあれ、イージー大好き人間な皆様、末永くイージーシステムとの蜜月生活を過ごせるためにも機械に負担をかけないやさしい操作を普段から心がけてやってください。
元イージー乗りの老婆心レポートでございまいした。^^;
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